対人支援の天敵は思い込み!(LAP004)

子ども関連業種のための交流読書会
LAP-Liberal Arts for Professional-
第8回までの歩み。
1日あけて第4回について。
 
第2回から2週間後の5/25。
会場は、初回のカフェドローム様に戻って参りました。
ちなみに、本日もこちらで14時より第9回を開催致します。
 
第4回は6/12。
平日の夜の実施でした。
2度目のパンダのしっぽ様での実施。
富岡高崎間を行ったり来たり。
 
今回ご参加頂いたのは5名様で
児童養護施設職員さんがお2人、
相談機関のカウンセラーさんと
小学校の先生、ドライナースさんがお1人ずつ。
 
題材になったのは、村田沙耶香さんによる芥川賞受賞作品『コンビニ人間』。
出題者は、児童養護の前線を渡り歩く『子ども福祉人間』さん。傭兵のような彼が聴くのは『施設生活の音』、『養護の神の声』⁉

広がり、深まったディスカッションの概要は、またの機会として…
 
今回は、ディスカッションの中で取り上げられた本3冊のうち、『人間に向いてない』(黒澤いづみ、2018、講談社)について書かせて頂きます。
 
引きこもりやニートの若者が突然「異形」に姿を変える「異形性変異症候群」が突然あらわれ社会問題となった世界の異形化した息子を抱える母の物語。
治療法を見出せない社会は患者を「死人」扱いとし、
以前から息子を拒絶していた父は「それを山に捨ててこい」と言い、
それに賛同する義母は殺虫スプレーを「異形」の孫に浴びせ…
物語は「異形」と化した息子の視点からも書かれます。
 
この本を読んだ私の感想としては、
現代日本のあらゆる社会問題への問題提起を
すべてミキサーにかけてペースト(粘土)状にして、それを改めて形にした作品という印象でした。
 
「家庭」や「学校」、「職場」における様々な問題だけでなく、「差別」や「少数派」とう言葉とともに取り上げられるあらゆるテーマに共通する問題も含んでいるように思われます。
 
「異形」を抱えた当事者の混乱と孤独。
「異形」の側から見た「人間」の「人間味」のなさ…。むしろ「異形」どうしの関係によほど「人間味」を感じます。
 
支援者として是非考えてほしいのは…
相手に手を差し伸べるのは、
相手が自分にとって受け入れられる存在だからなのか?
ということ。
 
可愛くない子どもは受け入れられないのか?
難しいクライエントとは会いたくないのか?
使えない部下や後輩は育てたくないのか?
 
「そんなことはない。」言うのは簡単だけど…。
なぜそこに「難しさ」を感じるのか?その根本は?
 
親や上司、先輩、助言をくれる専門職。
皆さんは、この人達のことは慮る必要はありません。
 
前を見たら後ろは見れません。
振り向けば前方が死角になります。本当に。
誰もが「見るべきを見て」いれば、
死角を恐れる必要なんて無いんですから。本当は。
 
「見るべきだけを見て」ください。
理想論ですが、少しずつでも、ここからでも、進めていきたいですね。
あっ、「自分」も当然、見つめるべき存在ですよ!
 
以上が第4回のLAP-Liberal Arts for Professional-ご報告でした。
 
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〇LAP推薦図書
『コンビニ人間』(村田沙耶香、2016、文藝春秋)
『死んだ金魚をトイレに流すな―「いのちの体験」の共有』(近藤卓、2009、集英社新書)
『個性化とマンダラ』(C.G.ユング、1967、みすず書房)
『人間に向いてない』(黒澤いづみ、2018、講談社)
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Q-jack project 〜子どもたちの未来のために…〜

「子どもたち」が担う「未来」のために 私たち「大人」が 誰でもできること。 誰もがすべきこと。 それは、 私たち「大人」、個人が 「自分らしくなる」ということです。 これからの子どもたちをリードし、見本となれるのは、子どものようにエネルギッシュで、希望に満ち、日々を楽しみ、成長し続ける大人です。 Q-Jack projectは あなたがあなたらしくなるための プロジェクトです。

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