裏面の奥にある願い(LAP003)

子ども関連業種のための交流読書会
LAP-Liberal Arts for Professional-について。
今日は、昨日、一昨日に続き、第8回までの歩みとして第3回について。
 
第2回から2週間後の5/25。
会場は、初回のカフェドローム様に戻って参りました。
ちなみに、本日もこちらで14時より第9回を開催致します。
 
第3回にご参加頂いたのは、
児童養護施設職員さんと保育士さん。
少人数でじっくりと語り合った今回となりました。
 
題材とした本は『自分の仕事をつくる』(西村佳哲、2003、晶文社)。
当時「働き方研究家」を自称していたデザイナーによる一流のものづくりを訪ね歩いたインタビュー記録。
働く人にとっての振り返るべきことを思い出させてくれる一冊。
スープストック東京の社員研修でも用いたという「まえがき」をLAPでも題材としました。
 
―たとえば安売り家具屋の店頭に並ぶ、カラーボックスのような本棚。化粧板の仕上げは側面まで、裏面はべニア貼りの彼らは、「裏面は見えないからいいでしょ?」というメッセージを、語るともなく語っている―
―様々な仕事が「こんなもんでいいでしょ」という、人を軽くあつかったメッセージを体現している―
―また一方に、丁寧に時間と心がかけられた仕事がある。素材の旨味を引き出そうと、手間を惜しまず作られる料理。表には見えない細部まで手の入った工芸品。一流のスポーツ選手による素晴らしいプレイに、「こんなもんで」という力の出し惜しみはない―
 
ディスカッションでは、日常のなかでつい「こんなもんで…」と思ってしまうことを振り返り、「丁寧に、心をかけて仕事をしたい」と意気込みを持たれた純粋なおふたりでしたが、私からは、こんな問いをさせて頂きました。
 
私たちは誰もが、日々、それぞれに様々な苦悩を抱えて生きています。
そのなかで仕事や勉強をしたり、人付き合いをしたりと奮闘しています。
情報はますます多くなり、やるべきことも増え、人間関係は複雑になり…
誰もが「自分らしく生きたい」という願いを「そうも言ってられない」と背後に押しやってしまっています。
でも、もしかしたら…
「こんなもんでいいでしょ?」というメッセージの背後には「本当は、もっと…」という願いが隠れているかもしれません。
 
同じように、子どもたちの言動にも「もっと、自分らしく生きて、大人になりたい!」
という願いが隠れているはずです。
私たちは日々、なんとなく、それを感じていますし、それを信じてもいます。
 
だとすれば、子どもたちの
「つかざるを得なかった嘘」や
「吐かざるを得なかった暴言」、
「振り下ろさざるを得なかった拳」、
「描かざるを得なかったグロテスクな絵」など…
様々な表現にも
「本当は、もっと…」という願いが
隠されているのではないでしょうか…。
 
だとすれば私たちは、
何を見て、何を感じ、何を思い、何を為せばいいのでしょうか…。
そしてそのためには、日々、どう過ごせばいいのでしょうか…。
 
「自分の仕事をつくる」ために、同じように「自分をつくる」。
「こうありたい!」
「でも、そうも言ってられない」
「こんなもんで…」
「でも、本当はもっと…!」
「やっぱり、こうありたい!」
ぐるぐると回っていきます。きっとそれを続けていきます。
 
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〇LAP推薦図書
『自分の仕事をつくる』(西村佳哲、2003、晶文社)
『子どもの絵からのメッセージ 「わたし」になりたい!』(小村チエ子、1995、朱鷺書房)
『羊と鋼の森』(宮下奈都、2015、文藝春秋)
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Q-jack project 〜子どもたちの未来のために…〜

「子どもたち」が担う「未来」のために 私たち「大人」が 誰でもできること。 誰もがすべきこと。 それは、 私たち「大人」、個人が 「自分らしくなる」ということです。 これからの子どもたちをリードし、見本となれるのは、子どものようにエネルギッシュで、希望に満ち、日々を楽しみ、成長し続ける大人です。 Q-Jack projectは あなたがあなたらしくなるための プロジェクトです。

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