世界の中心に愛を誓う(LAP006)

子ども関連業種のための交流読書会
LAP-Liberal Arts for Professional-
第8回までの歩み。第6回のご報告。
 
今回はアメイジンググレイス前橋様での初めての開催。
3施設4人の児童養護施設職員さんと、なんと会場の社長さんにもご参加頂いた回でした。

題材としたのはホロコーストを生きのびたユダヤ人精神科医による
『人間とは何か』(V.E.フランクル、2011年、春秋社)。
 私からのご紹介でした。
 
会場が結婚式場ということもあり、
この本から「愛の意味」という一節を抜粋してディスカッションをしました。
フランクルの言う「愛」とは?
結婚式場で誓われる「愛」とは?
愛着障害という言葉における「愛」とは?
そして個々人にとっての「愛」とは?
そんなことに想いを巡らせたてほしい…という動機でしたが、
 振り返ってみれば、
抜粋文章にある
―実存の唯一性と一回性を有するような秘儀に満ちた新たな人格が生まれてくるという奇跡である。それが、子どもという奇跡である。―
この記述をご紹介したかっただけなのかもしれません。
 
晩婚化も進み、
離婚数も増え、
そもそもの成婚数も減っている
という現状は、
少子化が進んでいることや、児童虐待が増加しているということと
無関係であるとは思えません。
結婚式を挙げないケースも増えているとのことです。
 
「愛」が後回しにされ、
誓われなくなり、
その誓いも破られてしまう…。

生まれた「愛」が「誓い」を受けて「祝福」され、そして「子ども」という「奇跡」が“立ち現れてくる”。
それがきっと本来であるというのに…
 
社長さんから
「誓いというのは、自分への誓い」という言葉がありました。
「ここ(結婚式場)へ何回でも来て、原点に返ってほしい」とも。
アドラー心理学に触れる等、勉強熱心な方の切なる願いです。
 
ところで、
ユクスキュルという生物学者が提唱した概念に「環世界」というものがあるそうです。

ユクスキュルは、ダニにとっての「森」という「世界」を、酪酸の匂い、摂氏37度、障害物の有無という刺激しかない世界と説明し、
人間同士でも世界は認識的にそれぞれ異なると主張します。
同じ場所や時間を共有することはあっても、それぞれに違う、それぞれ自分を中心にした「環世界」を生きている。
 
そうであるならば、
「結婚」とは新たにふたつの「環世界」が「融合」する「契機」。
結婚式に集う、それぞれの「環世界」の構成メンバーを披露宴の「席次表」が「可視化」してくれます。
 
2つの環(わ)が重なると、そこには新たな中心点が生まれます。
その中心点はまるで、その「愛」の契機として“立ち現れてくる”
「子ども」という「奇跡」を待ち望んでいるかのようです。
 
ここで私がこのように書いてしまうことは、
様々な問題や賛否両論を生むことになるかもしれない。
誰かを傷つけてしまうかもしれない。
 
それでも…
「愛」ということを改めて考えることは、
私たち個人にとっての「世界」を改めて考えることですし、
「子ども」という存在を改めて考えることでもあり、
そして『人間とは何か』ということを改めて考えることでもあります。
 
「答え」は出るものではないし、
「後悔」も生まれてくるかもしれない。

それでも私たちは、可能な限り想いを巡らせる必要があるのかもしれません。
それぞれの「原点に返る」ために。
 
以上、LAP-Liberal Arts for Professional-第6回に関連してお知らせ致しました。
 
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〇Q-jack project衝動的企画案
『人間とは何か』(V.E.フランクル、2011年、春秋社)
『暇と退屈の倫理学』(國分功一郎、2011、朝日出版社)
ユクスキュルの「環世界」はここで読みました。
『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』
(岸見一郎ほか、2013、ダイヤモンド社)
 アドラー心理学はここから入門⁉
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Q-jack project 〜子どもたちの未来のために…〜

「子どもたち」が担う「未来」のために 私たち「大人」が 誰でもできること。 誰もがすべきこと。 それは、 私たち「大人」、個人が 「自分らしくなる」ということです。 これからの子どもたちをリードし、見本となれるのは、子どものようにエネルギッシュで、希望に満ち、日々を楽しみ、成長し続ける大人です。 Q-Jack projectは あなたがあなたらしくなるための プロジェクトです。

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