異世界の住人との交信(LAP 001)

子ども関連業種のための交流読書会
LAP-Liberal Arts for Professional-について。
前回の記事で、
第8回までの歩みを概要として載せました。
 
なるべく頻繁にアップしていけるように
今回から少しずつでも
その8回に関する徒然を書いていきたいと思います。
 
第1回は、4/27。まだ元号が「平成」でした。
この頃は、どこでもかしこでも
何につけても「平成最後の…」と枕詞をつけていて…
今となっては、遥か昔というよりも、異世界の話のような…。
 
だからということではありませんが、
今回は
【異世界の住人との交信】
というタイトルでお送りします。
 
ちなみに、第1回の会場は、
その後第3回、第7回とお世話になるカフェドローム様。
そうそう、第9回は明後日の開催です!
そのアピールしろよって話…。
します!
7/28(日)14時開始。
@カフェドローム様
(富岡市富岡51-4)にて開催です!
 
第1回に戻って。
ご参加頂いたのは、今日現在このLAPを誰よりも多く
ご利用頂いている「先頭集団」のお三方。
児童養護施設職員さんおふたりと相談機関のカウンセラーさん。
 
題材となったのは『虐待が脳を変える』。
児童虐待の脳機能へのダメージを研究する最前線の
友田医師による著作。
 
支援の中で思い込みとしてもってしまうのは、
傷付いていても同じ人間なんだから、
同じように感じ、同じように考えるに違いないということ。
こちらかのメッセージが、想定した伝達になるはずだという思い込み。
 
この本に触れて気づけたことは、
そもそも「脳」がダメージを受けて変わってしまっているんだということ。
その「脳」には、その「心」には、
私たちのメッセージが、私たちの想いがどう届くんだろう…
そんなことに想像を巡らせた今回となりました。
 
ヒントになるのは、当事者の声でしょう。
ノンフィクションライター黒川祥子による
児童虐待被害者への取材記録『誕生日を知らない女の子』を覗いてみます。
 
―キノシタさんが、鍋に俺の手をつけて、『アツイだろう』ってやった。俺の手を焼いた後、キノシタさんは『ごめんね!』って自分の手も焼いた。キノシタさんが泣いて謝ったから、俺は許した―
―キノシタさんとごはんを食べに行った時、俺が言うことをきかないから、キノシタさんから割り箸で目を刺された。それで病院に行って、キノシタさんは泣きながら俺に、セブンイレブンで(機関車)トーマスのチョロQを買ってくれた。だからこのチョロQには『まさと』って俺の名前が書いてある―
※“キノシタさん”は実母、“まさと”は被害児。当然仮名です。
 
自分の手が焼かれることは、泣いて謝れれば許す程度のことでしょうか?
トーマスのチョロQは、片目を犠牲にしなければ手に入らないほどの価値のものでしょうか?
これは私たちの「当たり前」で理解できることでしょうか?
 
「脳」が違うということは、
「見えている世界」が違うということ。
「見えている世界」が違うということは、
「住んでいる世界」が違うということ。
 
焼かれても一言の謝罪で帳消しにされる「自分の身体」を
大切にできるでしょうか?
片目と引き換えに手にした「自分だけのオモチャ」はどれだけ大事なものでしょうか?
 
―大人になるってつらいことだろ。―
彼らに見えている世界は、「希望に溢れる眩しい世界」でしょうか?
彼らの住む世界は、「平和で文化的な先進国」でしょうか?
 
私たちができることは3つ。
彼らの世界に対して「交信」を試みること。
彼らの世界に関する「情報」を集めること。
彼らの世界に向けて「想像」を向けること。
 
本を読むことと似ていませんか?
「空想」と「現実」は
どれだけ違うでしょうか?
 
「私の世界」から「あなたの世界」に向けた「交信」として。
第1回のご報告に代えて。
 
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〇LAP推薦図書1
『虐待が脳を変える~脳科学者からのメッセージ~』(友田明美ほか、2018、新曜社)
『誕生日を知らない女の子 虐待―その後の子どもたち』(黒川祥子、2013、集英社)
『児童虐待 親子という絆、親子という鎖』(南部さおり、2011、教育出版)
『子どもの虐待 子どもと家族への治療的アプローチ』(西沢哲、1994、誠信書房)
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Q-jack project 〜子どもたちの未来のために…〜

「子どもたち」が担う「未来」のために 私たち「大人」が 誰でもできること。 誰もがすべきこと。 それは、 私たち「大人」、個人が 「自分らしくなる」ということです。 これからの子どもたちをリードし、見本となれるのは、子どものようにエネルギッシュで、希望に満ち、日々を楽しみ、成長し続ける大人です。 Q-Jack projectは あなたがあなたらしくなるための プロジェクトです。

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